出産後に、マタニティブルーが長引いたり、強度の不安やイライラ感、激しい動悸や息苦しさが突然現れるパニック発作、赤ちゃんへの関心がなくなる、などといった症状が現れた場合を、「産後うつ病」とよばれています。
ヨーロッパでの調査では、出産した女性の10〜15%が産後うつ病を経験するとされているようですが、日本の場合、昔から実家に帰ってお産をする里帰り出産の習慣があり、実家で落ち着くことができるため、産後うつ病にかかる人は少ないといわれてきました。
しかし、最近の調査によると、産後うつ病の発症は、ヨーロッパと大して変わらないという結果が出ています。
また、以前は産後うつ病の発症は、出産の1か月後からといわれてきましたが、現在では、出産後2週間以内に産後うつ病を発症するケースが多いことが報告されています。
産後うつ病にかかると、育児に関して理由もない不安や不満がつのり、子育てをしていてもイライラしたり、落ち込んだりしがちになります。
その結果、赤ちゃんに危害を加えたり、夫などとの関係を損ないかねません。
産後うつ病は、子育てが上手くできないと悲観して母子心中を図るなど、深刻な影響を及ぼす可能性もあり、早期に専門医を受診し産後うつ病の治療をする必要があります。