抗うつ薬の効果は、すぐに現れるわけではありません。
うつ病の人は苦しい気持ちになっているために、すぐに抗うつ薬が効くのではないかと期待しますが、すぐに効果が現れないとがっかりして、そのまま抗うつ薬を飲むのを止めてしまうこともあります。
しかし、結果を焦ってはいけません。
抗うつ薬による抗うつ効果が現れるまでには、薬の種類にもよりますが、2〜3週間はかかるといわれています。
うつ病のときには、セロトニンやノルアドレナリンといった脳内神経伝達物質が減っています。
その減った脳内神経伝達物質をできるだけ多く受け取ろうと、伝達物質を受け取る側の神経の受容体は増えてきます。
抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質を増やすだけでなく、受容体の数を元の状態まで減らすことで効果を現すと考える専門家もいます。
そのために、抗うつ効果が現れるまでに時間がかかるというのです。
一般的には、2〜3週間で抗うつ効果が現れないときには、1〜2か月かけてその抗うつ薬を最大用量にまで増量します。
ただし、そのまま1〜2か月続けて抗うつ効果が現れない場合には、別の抗うつ薬に変えていくのが一般的のようです。