抗うつ薬をはじめとした「精神科の薬はボケる、あるいは性格が変わる」というのは、古くからある俗説です。
何となく、精神や心、脳といったブラックボックスに抗うつ薬が作用するということが気味悪く感じられるからなのかもしれません。
実は、私も最初はそう思って、医師から抗うつ薬を処方すると言われ、強い抵抗を感じたのを覚えています。
しかし、薬は悪いところを治す(抗うつ薬では、脳内神経伝達物質を調整する)だけで、それ以上の力は持っていません。
抗うつ薬を飲んだからといって、ボケたり、性格が変わったりするわけではありません。
また、医師の処方どおりに抗うつ薬を服用していれば、体に長期にわたる障害が残ることはありませんし、抗うつ薬に対する依存や中毒を心配する必要もありません。
例えていうならば、抗うつ薬は、足を骨折したときのギブスのようなものです。
自分の持つ自然治癒力を最大限に発揮するために一時的に抗うつ薬を利用するといった気持ちでいればよいと思います。