人前で恥をかいたり、恥ずかしい思いをすることに絶えず不安を感じていて、職場などの社会的状況に置かれると、不安反応が誘発され、日常生活に支障を来たしてしまう場合を「社会不安障害」(SAD Social Anxiety Disorder)といいます。
社会不安障害には、人前で話しができない「対人恐怖」、緊張してあがってしまい顔が赤くなる「赤面恐怖」、他人と視線が合うのを恐れる「視線恐怖」などがあります。
社会不安障害の症状としては、動悸、手の震え、発汗、胃腸の不快感、下痢、緊張、混乱などがあります。
また、激しい恐怖場面では、パニック発作を起こすこともあります。
社会不安障害を患っている人は、相手にどう思われるかを非常に気にして、自然に行動できなくなります。
社会不安障害の本人自身は、他人の目や評価を必要以上に恐れていること、自分の対人反応が過剰であるということを認識はしていますが、自分ではどうすることもできないのです。
社会不安障害は、10代半ばまでに発症することが多く、18歳未満では症状が6か月以上続くことが診断の基準となっています。
社会不安障害は、社会的に成長するにしたがい徐々に症状が軽くなる場合もあるようですが、社会不安障害を治療せず放置すると、うつ病やアルコール依存症になりやすいので、専門医の治療を受ける必要があります。